運行管理者試験の道交法対策|第3分野5問の速度・駐停車・過労運転

運行管理者試験は30問。そのうち第3分野「道路交通法関係」は5問です。配点は小さく見えますが、合格には総得点18問以上に加え、各分野で最低正解数(道交法は1問以上)が必要なので、ここを落とすと一発で不合格になります。道交法の問題は、距離(5m・10m)や速度(60・90)といった数字を入れ替えたひっかけが中心です。逆に言えば、数字を正確に覚えれば確実に取れる分野です。

この記事の信頼性について

執筆運管マスター編集部(資格学習サイトの編集チーム)
確認公式情報確認担当(公開前に一次情報との照合を行う担当者)
事実確認日2026-06-23
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1第3分野の出題範囲 — 5問で問われる論点はほぼ決まっている

第3分野は道路交通法とその政令(施行令)からの出題です。実務で運行管理者が関わる範囲が中心で、論点は毎回似ています。過去問を数年分見比べると、問われる条文と数字の傾向はほぼ固定されています。条文の細部を丸暗記するより、頻出の数字と「誰が・何を禁止されるか」を押さえる方が効率的です。

優先して固めたいのは次の5系統です。

1. 自動車の種類と免許区分(車両総重量最大積載量・乗車定員)
2. 最高速度(一般道・高速道路)と過積載
3. 駐停車禁止・駐車禁止の場所(距離の数字)
4. 過労運転の防止と使用者などの義務
5. 交通事故の場合の措置、酒気帯び運転の基準

1問ずつ別論点で出るとは限りませんが、上の5系統を押さえれば5問中の多くをカバーできます。以下、数字を中心に説明します。

2免許区分と車両総重量 — 「中型7.5〜11t」を軸に覚える

道交法では、自動車を車両総重量・最大積載量・乗車定員で区分し、それぞれに対応する運転免許を定めています。運行管理者試験では、車両総重量と免許区分の対応がよく問われます。

免許区分車両総重量最大積載量乗車定員
準中型3.5t以上 7.5t未満2t以上 4.5t未満10人以下
中型7.5t以上 11t未満4.5t以上 6.5t未満11人以上 29人以下
大型11t以上6.5t以上30人以上

普通免許は車両総重量3.5t未満です。準中型は18歳から取得でき、中型・大型は一定の経験年数などの条件があります。

注意点が2つあります。1つは「8t限定中型免許」です。これは平成19年の制度改正前に普通免許を持っていた人が引き継いだ区分で、車両総重量8t未満・最大積載量5t未満まで運転できます。新たに取得できる区分ではありません。もう1つは、区分の判定が「車両総重量」を基準にする点です。最大積載量や乗車定員だけで判断させようとする選択肢はひっかけです。

3最高速度と過積載 — 一般道60km/h・高速の大型貨物は令和6年4月から90km/h

速度は数字の入れ替えで狙われる典型論点です。標識や標示で指定がない場合の法定速度を整理します。

一般道路では、自動車の法定最高速度は60km/hです。車両総重量や貨物・旅客の別を問わず、自動車であれば原則60km/hです。

高速自動車国道の本線車道では、令和6年4月1日から大型貨物自動車等の最高速度が引き上げられました。改正前は80km/hでしたが、改正後は90km/hです。対象は車両総重量8t以上、または最大積載量5t以上の貨物自動車などです。普通自動車などの100km/hとあわせて押さえます。

道路・車両最高速度(法定)
一般道路の自動車(標識指定なし)60km/h
高速の本線車道・普通乗用車など100km/h
高速の本線車道・大型貨物自動車等(車両総重量8t以上等)90km/h(令和6年4月1日から。改正前は80km/h)
高速の本線車道・けん引(トレーラ)、大型特殊、三輪80km/h(引き上げの対象外)

ひっかけの作られ方は2通りです。1つは「90km/h」と「80km/h」を逆にする、または改正前の数字をそのまま出すパターン。もう1つは、けん引(トレーラ)まで90km/hに引き上げられたと誤らせるパターンです。けん引時は80km/hのままで、引き上げの対象外という点が狙われます。高速道路の最高速度の詳細は、改善基準告示や速度を扱う記事もあわせて確認してください。

過積載については、車両の最大積載量を超えて積載してはならないのが原則です。過積載のおそれがある場合、警察官は運転者に対し、積載物の重量の測定や、過積載とならないための応急措置を命じることができます。さらに、過積載を前提に運送を引き受けるよう要求する行為(荷主への規制を含む背後責任の追及)も問題になります。数字より「誰が・何を命じられるか」を押さえてください。

4駐停車禁止と駐車禁止の場所 — 標識がなくても禁止、距離の数字が命

ここが第3分野で最も配点を取りやすく、かつ最も間違えやすい論点です。「駐停車禁止」と「駐車禁止」は別物で、距離も異なります。

駐停車禁止(駐車も停車もできない場所、道交法第44条)は、標識がなくても法律で禁止されます。主な場所と距離は次のとおりです。

場所禁止される範囲
交差点とその端端から5m以内
横断歩道・自転車横断帯その前後の側端から5m以内
踏切とその前後側端からそれぞれ前後10m以内
安全地帯の左側とその前後前後の端から10m以内
バス・路面電車の停留所の標示柱・標示板の位置10m以内(運行時間中に限る)
坂の頂上付近・こう配の急な坂その場所
トンネルその場所

バス停の10mには条件があることに注意してください。禁止されるのは、その停留所に係る乗合自動車などの運行時間中に限られます。運行時間外まで一律に駐停車禁止とする選択肢はひっかけです。

一方、駐車禁止(停車はできるが駐車はできない場所、道交法第45条)は、駐停車禁止とは別に定められています。距離が5mや3mで、駐停車禁止の距離と混同させるのが定番のひっかけです。

場所禁止される範囲
駐車場・車庫など自動車用の出入口3m以内
道路工事の区域の側端5m以内
消防用機械器具の置場・防火水槽などの出入口5m以内
消火栓・指定消防水利の標識・防火水槽の吸水口など5m以内
火災報知機1m以内

混同を防ぐコツは、用途で覚えることです。「人や車の動きが交わる場所(交差点・横断歩道・消火栓)は5m、踏切や安全地帯のように線路・島に絡む場所は10m」が駐停車禁止側の目安。駐車禁止側は「出入口3m・工事や消防5m・火災報知機1m」と、数字が小さめです。

加えて駐車の方法にも規制があります。正しく道路の左端に寄せて駐車したとき、車両の右側の道路上に3.5m以上の余地がない場所には、原則として駐車できません(標識で距離が指定されていればその距離)。ただし荷物の積卸しで運転者がすぐ運転できる状態のときなど、例外もあります。「右側に3.5m以上の余地」という数字が問われます。

5過労運転の防止 — 運転者本人だけでなく使用者なども禁止対象

過労運転は運行管理者の業務に直結する論点です。道交法第66条は、過労や病気、薬物の影響などで正常な運転ができないおそれがある状態での運転を禁止しています。

さらに重要なのが、使用者などへの規制です。道交法第75条は、自動車の使用者など(運送会社や運行を管理する立場の者)が、運転者に対して過労運転を下命・容認することを禁じています。「下命」は命じること、「容認」は黙認・放置することです。

押さえるべきポイントは2つです。1つは、禁止の対象が運転者本人にとどまらず、使用者など背後の者にも及ぶこと。もう1つは、過積載や最高速度違反の下命・容認も同様に禁止されている点です。「運転者だけが責任を負う」とする選択肢は誤りになりやすいです。運行管理者の運行管理業務の全体像は、別の記事もあわせて確認してください。

6事故時の措置と酒気帯び運転 — 順番(停止→救護→危険防止→報告)と0.15mg/L

交通事故が起きたときの措置(道交法第72条)は、やるべきことの順番が問われます。運転者その他の乗務員が取る措置は次の流れです。

1. 直ちに車両等の運転を停止する
2. 負傷者を救護する
3. 道路における危険を防止する措置をとる
4. 警察官に事故を報告する(現場にいなければ最寄りの警察署へ)

  • 事故の日時・場所
  • 死傷者の数と負傷の程度
  • 損壊した物とその程度
  • 積載物
  • 講じた措置などです

ひっかけは順番の入れ替え、特に「先に警察へ報告してから救護」と並べるパターンです。人命にかかわる救護・危険防止が報告より先という点を覚えてください。

飲酒に関する論点では、酒気帯び運転の基準値が問われます。道交法第65条は、酒気を帯びた状態での車両等の運転を禁止しています。

罰則の対象となる酒気帯び運転の基準は、呼気1リットルにつき0.15mg以上のアルコールを保有する状態です(道交法施行令)。この「0.15mg/L」という数字が問われます。なお、これとは別に「酒酔い運転」は、数値ではなく正常な運転ができない状態かどうかで判断されます。

使用者側の規制も押さえてください。運転者に酒気帯び運転を下命・容認することや、酒気を帯びた者に車両を提供すること、運転することになると知りながら酒類を提供することなども禁じられています。

7数字を間違えないための整理 — ひっかけの作られ方

第3分野のひっかけは、ほぼ次の3型に集約されます。型を知っておくと、選択肢を読んだ瞬間にどこが操作されたかを疑えます。数字・対象・順番の3点を意識して読むことが、得点を安定させる近道です。

・数字の入れ替え型:5mと10m、3mと5m、80km/hと90km/h、60km/hと100km/hなど。表で距離・速度を縦に並べて覚えると効きます。
・対象の拡張・限定型:けん引まで90km/hに引き上げ(誤)、バス停は運行時間外も駐停車禁止(誤)、運転者だけが過労運転の責任(誤)など、対象を広げたり狭めたりする。
・順番の入れ替え型:事故時の措置で報告を救護より前に置くなど。

なお、各違反の罰則(懲役の年数や罰金額)は数字が改正で動くことがあり、運行管理者試験でも問われる頻度は高くありません。本記事では罰則の年数・金額を断定しません。最新の条文・数値は、当該年度のe-Gov法令検索や警察庁の案内を正本として確認してください。

8よくある質問

道交法は5問しかないのに、なぜ対策が必要ですか。
合格には総得点18問以上に加えて、各分野の最低正解数が必要だからです。道路交通法分野は1問以上正解しないと、総得点が足りていても不合格になります。配点は小さくても、落とせない分野です。しかも道交法は距離や速度の数字を覚えるだけで確実に取れる問題が多く、対策の費用対効果が高い分野でもあります。
駐停車禁止と駐車禁止の距離が覚えられません。コツはありますか。
用途で束ねると覚えやすいです。交差点・横断歩道・消火栓は5m、踏切・安全地帯・バス停は10m(駐停車禁止側)。出入口は3m、工事や消防は5m、火災報知機は1m(駐車禁止側)。表で縦に並べ、数字だけ繰り返し確認してください。
高速道路の大型トラックは何km/hですか。
令和6年4月1日から90km/hです(車両総重量8t以上などが対象。改正前は80km/h)。ただしけん引(トレーラ)は引き上げの対象外で80km/hのままです。この「90と80の使い分け」がひっかけで狙われます。なお一般道では、貨物・旅客や重量を問わず自動車の法定最高速度は60km/hである点もあわせて覚えてください。

記事の基本情報

ジャンル分野別対策
タグ道交法 / 速度 / 第3分野

公式情報の確認

公式情報の確認:運行管理者試験の最新情報は、公益財団法人 運行管理者試験センター(公式)などの公式情報を必ず確認してください。本人に割り当てられた試験会場は受験票の表記が正本です。