運行管理者試験の車両法対策|第2分野4問の点検・検査・整備管理者
道路運送車両法は、運行管理者試験の第2分野にあたり、出題はたった4問です。範囲が狭いぶん「捨ててもいい」と思われがちですが、それは危険です。合格には「総得点18点以上」と「各分野で最低限の正解数」の両方が必要で、第2分野は1問以上正解しなければなりません。4問のうち1問も取れないと、ほかで高得点でも不合格です。逆に言えば、問われる数字はほぼ決まっています。
この記事の信頼性について
| 執筆 | 運管マスター編集部(資格学習サイトの編集チーム) |
|---|---|
| 確認 | 公式情報確認担当(公開前に一次情報との照合を行う担当者) |
| 事実確認日 | 2026-06-23 |
| 主な参照元 |
1第2分野の位置づけ — 4問しかないが0問は許されない
運行管理者試験は全30問・90分・四肢択一です。出題は5分野に分かれ、配分は次のとおりです。
| 分野 | 法令など | 問題数 |
|---|---|---|
| 第1分野 | 貨物自動車運送事業法(旅客は道路運送法) | 8問 |
| 第2分野 | 道路運送車両法 | 4問 |
| 第3分野 | 道路交通法 | 5問 |
| 第4分野 | 労働基準法 | 6問 |
| 第5分野 | 実務上の知識・能力 | 7問 |
合格の条件は2つあり、両方を満たす必要があります。1つめは総得点が18問(30問中)以上であること。2つめは、第1〜第4分野で各1問以上、第5分野で2問以上正解することです。
ここで効いてくるのが第2分野です。最少の4問しかないため、運悪く苦手な論点が並ぶと0問になりかねません。0問なら、たとえ総得点が18点を超えていても、その時点で不合格が確定します。つまり第2分野は「最低1問を絶対に外さない」という守りの分野です。出題範囲は狭く、数字を覚えれば確実に得点できます。捨てずに、まず1問を固めることを目標にしてください。
各分野の足切り(最低正解数)の全体像は、試験の合格基準の記事も参照してください。
2自動車の登録 — 新規・移転・変更・抹消の4区分
道路運送車両法では、自動車(軽自動車などを除く)を使うには登録が必要です。登録は場面ごとに4種類に分かれます。これは頻出の論点です。
| 登録の種類 | 行う場面 |
|---|---|
| 新規登録 | 未登録の自動車を新たに使うとき(新車の購入、一時抹消した車の再使用など) |
| 移転登録 | 所有者が変わったとき(売買・贈与・相続などによる名義変更) |
| 変更登録 | 所有者の氏名・住所、使用の本拠の位置などが変わったとき |
| 抹消登録 | その自動車を使わなくなったとき(解体・滅失・輸出など) |
覚え方のコツは「何が動いたか」です。車そのものが新たに動き出すのが新規、所有者という人が動くのが移転、登録事項(住所など)が動くのが変更、車が使用から退くのが抹消です。
申請期限も問われます。移転登録・変更登録は、その事由があった日から15日以内に申請しなければなりません。
ひっかけに注意してください。名義変更を「変更登録」と書く選択肢はよくある誤りです。名義(所有者)が変わるのは移転登録です。変更登録は、同じ所有者のまま住所や氏名などが変わった場合を指します。ここは確実に区別してください。
3自動車検査証の有効期間 — 8トンの境目と国が行う5つの検査
自動車は、保安基準に適合するか確認するため検査(車検)を受けます。合格すると自動車検査証(車検証)が交付され、有効期間が定められます。試験で問われるのは、この有効期間の数字です。
事業用の貨物自動車は、車両総重量8トンを境に扱いが変わります。
| 車両の区分 | 初回の有効期間 | 2回目以降 |
|---|---|---|
| 事業用貨物 車両総重量8トン未満 | 2年 | 1年 |
| 事業用貨物 車両総重量8トン以上 | 1年 | 1年 |
| 自家用乗用車 | 3年 | 2年 |
事業用貨物の8トン未満は「初回2年・以降1年」、8トン以上は「初回から毎年1年」です。8トン以上は走行距離が長く車体への負荷も大きいため、初回から毎年の検査になります。自家用乗用車の「初回3年・以降2年」と混同しないでください。
なお、事業用は自家用乗用車のような「初回3年」がありません。「事業用貨物だから3年」とする選択肢は誤りです。8トン未満で最長でも初回2年と覚えてください。料金や細部の制度は変わりうるため、当年度の国土交通省・自動車検査登録ポータルの情報を正本としてください。
検査は受ける場面で種類が分かれます。国(国土交通大臣)が行う検査は次の5つです。名称と場面の対応が問われます。
・新規検査:新たに自動車を使おうとするとき(一時抹消した車を再使用するときを含む)に受ける検査。
・継続検査:車検証の有効期間が満了した後も、引き続き使うときに受ける検査。一般に「車検」と呼ばれるのはこれです。
・構造等変更検査:長さ・幅・高さ・最大積載量などに変更を生じる改造をしたときに受ける検査。
・予備検査:使用者が決まる前など、登録前の自動車について受ける検査。
・臨時検査:一定の構造・装置を有する自動車に対し、国が時期を指定して受けさせる検査。
「継続検査=いわゆる車検」と押さえておけば、選択肢の見分けがつきやすくなります。
4日常点検と定期点検 — 事業用は3か月ごと・12か月ごと
点検整備は、登録・検査と並ぶ第2分野の柱です。点検には日常点検と定期点検があり、事業用は周期が決まっています。ここは数字の暗記が直接得点になります。
日常点検は、運行の前に行う点検です。事業用自動車では、1日1回、その運行の開始前に実施しなければなりません。自家用乗用車のように「走行距離や運行状況から判断した適切な時期」で足りるのではなく、事業用は毎日・運行前という点が重要です。
定期点検は、一定期間ごとに行う点検です。事業用自動車(および自家用の貨物・大型など)は、3か月ごとと12か月ごとの2種類を行います。
| 点検の種類 | 事業用自動車の周期 |
|---|---|
| 日常点検 | 1日1回、運行の開始前 |
| 定期点検 | 3か月ごと・12か月ごと |
点検を行ったら、定期点検整備記録簿に記録します。この記録簿の保存期間は1年間です。「3年」「2年」とする選択肢が混ぜられることがありますが、記録簿の保存は1年と覚えてください。日常点検は記録簿への記載が必須とはされていない点も、定期点検との違いとして押さえておくとよいでしょう。
5整備管理者 — 選任の要件・業務・整備命令との違い
事業用自動車を一定台数以上使う事業者は、使用の本拠(営業所)ごとに整備管理者を選任します。整備管理者は、点検整備が確実に行われる体制をつくる責任者です。第2分野では、この選任要件と業務がよく問われます。
選任が必要になる台数は車種で異なります。バスは1両から、乗車定員10人以下の事業用自動車は5両以上で選任が必要です。
整備管理者になれる人の資格要件は、主に次のいずれかです。
・1級・2級・3級の自動車整備士技能検定に合格した者
・整備管理を行う自動車と同種類の自動車の点検・整備、または整備の管理について2年以上の実務経験があり、かつ地方運輸局長が行う研修を修了した者
整備管理者の主な業務(権限)は、点検整備に関する現場の判断です。具体的には次のものです。
・日常点検の実施方法を定めること
・日常点検の結果に基づき、運行の可否を決定すること
・定期点検を実施すること、必要に応じ随時の点検を行うこと
・点検・整備の実施計画を定めること
・点検整備記録簿を管理すること
・自動車車庫を管理し、運転者・整備員を指導監督すること
ここで紛らわしいのが整備命令です。整備命令は整備管理者が出すものではありません。自動車が保安基準に適合しなくなる(またはそのおそれがある)とき、地方運輸局長が、その自動車の使用者に対して必要な整備を行うよう命じるものです。命令に従わない場合は、最長6か月の使用停止や、車検証・ナンバープレートの返納につながります。「整備命令は整備管理者が運転者に出す」といった選択肢は誤りです。命令の主体は地方運輸局長だと区別してください。
6保安基準と自動車の種別 — 全体像をつかむ
保安基準は、自動車が安全・環境のために満たすべき技術基準です。長さ・幅・高さ・重量、灯火、ブレーキ、後写鏡、排出ガスなど多岐にわたります。条文を丸暗記する必要はなく、「自動車検査や整備命令の判断は保安基準への適合で行われる」という枠組みを押さえれば十分です。検査に通るのも、整備命令が出るのも、基準は保安基準です。
自動車の種別も、用語として出ることがあります。道路運送車両法では、自動車を大きさ・構造・原動機などにより、普通自動車・小型自動車・軽自動車・大型特殊自動車・小型特殊自動車の5種類に区分します。これは道路交通法の免許区分(準中型・中型・大型など)とは別の体系です。試験では両者を混同させるひっかけがあるため、車両法の種別は5区分、と切り分けて覚えてください。免許区分との違いは、運転免許の区分に関する解説も参照してください。
74問を取りに行く優先順位 — 数字から固める
第2分野は範囲が狭く、得点源にしやすい分野です。学習の優先順位は次のとおりです。
1. 車検証の有効期間(事業用貨物 8トン未満 初回2年/以降1年、8トン以上 毎年1年)
2. 定期点検の周期(3か月・12か月)と記録簿の保存(1年)、日常点検は運行前
3. 登録の4区分(特に移転=名義変更、変更=住所・氏名)と15日以内
4. 整備管理者の業務と、整備命令は地方運輸局長が出すという区別
5. 検査の5種類・保安基準・種別5区分は用語として確認
この順で固めれば、4問のうち1〜2問は安定して取れます。0問だけは絶対に避けるという姿勢で、まず数字を覚えてください。試験全体の出題構成や時間配分は、試験の出題範囲と配点の記事も参考にしてください。
8よくある質問
第2分野は4問だけなので捨ててもいいですか。
事業用貨物トラックの車検は何年ごとですか。
整備命令は整備管理者が出すのですか。
記事の基本情報
| ジャンル | 分野別対策 |
|---|---|
| タグ | 車両法 / 点検 / 第2分野 |
公式情報の確認
公式情報の確認:運行管理者試験の最新情報は、公益財団法人 運行管理者試験センター(公式)などの公式情報を必ず確認してください。本人に割り当てられた試験会場は受験票の表記が正本です。